日本茶・カテキンの抗ウイルス作用

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カテキンとは?

日本茶は基礎研究(細胞やマウスを用いた実験)および臨床研究(ヒトを対象とした試験)によって、さまざまな効果・効能があることが明らかになっています。とりわけ、茶に含まれるカテキン類については、抗ウイルス、抗菌、抗がんなどの作用が期待できる成分として特に注目されています。

カテキンとは、抗酸化作用のあるポリフェノールの一種で、苦味・渋味の成分でもある「タンニン」としての顔も持ち合わせています。茶には約20種類のカテキン類が含まれ、茶種によって異なりますが、例えば煎茶の場合は11%~17%のカテキン類が含まれています。代表的なものに、特に抗酸化作用が強く、茶以外の植物からは発見されていない、エピガロカテキンガレート(EGCg)、その他にエピカテキン(EC)、エピカテキンガレート(ECg)、エピガロカテキン(EGC)などがあります。

被覆栽培(直射日光を遮る栽培方法)によってカテキンの生成を抑制させている玉露や抹茶、酸化発酵させている烏龍茶や紅茶よりも、煎茶のほうが多くカテキンが含まれています。

カテキン類に期待できる効果・効能

抗酸化、抗突然変異、抗がん、血中コレステロール上昇抑制、血圧上昇抑制、血糖上昇抑制、血小板凝集抑制、抗菌、抗虫歯菌、抗ウイルス、腸内菌叢改善、抗アレルギー、消臭

カテキンの抗ウイルス作用について

緑茶抽出物あるいはカテキン類が、エイズウイルス(HIV)やインフルエンザウイルスの増殖を抑えることが明らかになっています。

細菌に比べて小さいウイルスは、細胞の中で増殖します。カテキンはウイルスが細胞に付着しにくい状態にして、増殖を抑制するのです。

エピカテキンガレート(ECg)やエピガロカテキンガレート(EGCg)は、エイズウイルスの増殖を進行させる酵素の活性を強く抑制することが明らかになっています。また、エピガロカテキンガレート(EGCg)は、ヒトインフルエンザウイルスA、B型の粒子の表面に存在する糖タンパク質に結合して、その感染性を阻止することもわかっています。

お茶によるうがいは、インフルエンザウイルスの感染に予防効果を示すという結果も得られています。また、喉の痛み、発熱、鼻水、咳といった症状が短期間に抑えられることも報告されています。

 

2020年4月現在、世界的な感染拡大状況にある新型コロナウイルスへの直接的な作用は確認されていません。しかし、その他のウイルスへの抑制作用をはじめ、多くの効果・効能が明らかになっている日本茶を日常に取り入れることで、基礎疾患のない健康的な体づくりが期待できます。

 

(参考:日本茶インストラクター講座等)

 

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